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カテゴリー:院長

深夜4時の往診からの奇跡の復活

2016/09/3

きりの診療所は在宅療養支援診療所として近畿厚生局に届け出をしています。
このため、在宅患者さんには24時間電話対応を行っています。
ちょうど1カ月前の出来事です。
91歳の女性。サービス付高齢者専用住宅に入所中の方です。
基礎疾患に慢性心不全、心房細動、慢性腎臓病があり、
誤嚥性肺炎による心不全増悪にて入退院を繰り返していました。
今年の1月より当院で訪問診療を行うこととなり、
在宅酸素療法を導入の上、週1回の訪問診療を開始しました。
その後は時折発熱しましたが、抗生剤の内服・点滴投与を行うことで、
入院をすることはなくなりました。
ところが、8月になり発熱、酸素飽和度が低下。
8月2日の深夜3時に私の携帯電話が鳴り響きました。
「呼びかけに応じません。酸素飽和度も60%台です!」
これまで入退院でお世話になっていたB病院に電話するも、
当直医が処置中で受け入れ拒否。
車を飛ばしながらある決意をして、4時に往診。
意識のない患者さんを診察した上で、
ご家族、訪問看護師さん、施設のスタッフさんの前で、こう言いました。
「ご本人も『病院は嫌い!』と言っておられましたし、
気に入っておられたこの場所で看取りましょう。
この場所でできる点滴などは行っていきます。」
ご家族と色々お話をしながら、抗生剤と少量のステロイドを入れた点滴を行いました。
再度昼の15時にも訪問し、同じ点滴を行いました。
すると意識はもうろうとしているものの、眼を開けてくださるようになりました。
さらに2日間点滴をすると、すっかり意識は回復。
「のどがかわいた・・・」
水を少しずつ飲んでもらいました。
8月5日には、
「食べたい・・・」
食事を再開しました。
その後もだんだんと回復してこられ、デイサービスも再開。
生命力の強さを感じた1カ月間でした。

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