カテゴリー:院長
30歳台の女性の患者さんでした。
もともと片頭痛に悩まされていたそうですが、頭痛・微熱が持続。
MRIを撮影できる隣町のクリニックを受診。
異常所見がなく、片頭痛と診断されました。
しかし症状が改善せず、総合診療を希望され、当院を金曜日の午後遅くに受診されました。
診察すると、項部硬直(髄膜刺激症状の一つ)を認めました。
髄膜炎を疑いましたが、確定診断のための腰椎穿刺は、キットがないため、当院ではできません。
このため、高度医療機関に紹介することとしました。
翌日が土曜日のため公立病院には紹介できず、
髄膜炎の疑いとして隣町のB病院に紹介しました。
受診後に届いたFAXには、「髄膜炎は否定的です」と記載されていました。
しかし、週明けにご主人から電話。
「血液検査だけで髄膜炎を否定できるのか。もっときちんとした病院に紹介するべきだ!」と。
当方としては、平謝りするしかありませんでした。
血液検査だけなら、開業医でもできます。
しかし、髄膜炎の確定診断には髄液検査が必要です。
それが当院ではできないので、病院に紹介しているのです。
すごく辛い思いをしました。
数日後、再度ご主人から電話。
「それから何件か診療所を受診しましたがはっきりせず、
T病院(大阪市内の脳外科で有名な病院です)を受診したところ、
髄膜炎と診断され、緊急入院となりました。
桐野先生の診立てどおりでした」
間違ったことをしていなくて、ホッとした瞬間でした。
いつでも腰椎穿刺ができるように準備することも、考えていきたいと思います。