カテゴリー:院長
久しぶりの院長ブログです。
気持ちを新たに出来る限り更新していくようにしたいと思いますので、応援のほど、よろしくお願いいたします。
さて先日、千葉県船橋市の学習塾で56人が結核に集団感染というニュースが流れていました。
大変やなあと他人事のように聞いていましたが、当診療所にも肺結核の患者さんが来院されました。
60歳台の男性。
胃癌の既往があり、他院で高血圧症、高尿酸血症を治療中です。
1カ月持続する咳と痰を主訴に当診療所を初診されました。
来院時は38.1度の発熱があり、聴診すると左肺に雑音を聴取しました。
胸部レントゲンでは左上中肺野に浸潤影があるものの空洞はないため通常の細菌性肺炎かなと思いましたが、よーく問診すると、3カ月前に痛風の治療のため1カ月間ほどステロイドを内服していたと。
その後しばらくしてから咳が持続し始めており、結核の可能性を考え、診察室で喀痰採取しました。
血液検査でも白血球は8000/μL台、炎症反応のCRPは8mg/dL程度と、肺の病変の割にはおとなしめの数値でした。
空洞を確認するため、近隣の病院にお願いして胸部CTを撮影してもらいましたが、やはりはっきりせず。
通常の抗生剤を処方し、マスク着用の上で自宅待機としました。
ご家族には咳をしている方はいないので、非結核性抗酸菌症(MAC症)の可能性も考えました。
翌日は休診日であったため、翌々日に検査機関から帰ってきたファックスをみると塗抹検査にてガフキー1号(全視野に1〜4個の抗酸菌)との結果が・・・。
さらにPCR検査にて、結核菌陽性となりました。
結核指定病院に連絡し、肺結核として入院していただくこととなりました。
最近の統計では、平成26年に新たに保健所に登録された結核患者数は1万9,615人で、人口10万人あたりの罹患率は15.4だそうです。
まだまだ日本という国には、結核が蔓延しています。
長く続く咳・痰があれば、必ず受診をしましょう。